この度、永代経法要へようこそお参りくださいました。私たちは今日、亡き方を偲び、永遠に伝えられる仏さまの教えに手を合わせます。永代経とは、仏の教えが、これからもずっと私たちを照らしてくださることに感謝する大切な法要です。私たちは、故人との別れを通して、この命が永遠ではないという事を教わります。この世のすべては常に変わり続け、そのままということはありません。すべてが変わっていくという事が、私たちの生きる世界そのものの姿なのです。この世に永遠の命はない、つまり、いつかは皆が死という終わりを迎えるのです。
だからこそ、私たちはこの仮初の「今」という瞬間に、愛おしさを感じ、執着します。そして、この胸にある大切な人を思う心が、死によってどこへ行ってしまうのかという不安を感じます。ですが、その執着や不安さえも、いずれは阿弥陀仏の光によって救い取られ、大いなる安心な世界はあるのです。
多くの宗教では、神様からの恵みに対して、人々は一番大切な捧げものをもって感謝の気持ちを表します。これに対し、私たち仏教徒、特に永代経の場では少し違う受け止め方をいたします。私たちはこの世を去っていかれた大切な方々を、すでに仏さまとなられた方として心に受け止めます。この仏さまが私たちに遺してくださった一番の贈りものとは、ご一緒に生きたかけがえのない時間そのものだと考えるのです。そして私たちは、亡くなった後もその方との温かい思い出や教え、共にあった時間を何よりも大切に覚えています。この私たちの記憶という仮の命の中で、その方の存在を絶えず支え続け、語り継いでいくことこそが、故人への最大の敬意と心からの感謝の表れとなるのです。
永代経とはその字の通り、命が尽きた後も、故人を偲ぶ人々の温かい思いが永遠にこの世に残り続けるということを意味します。そしてその思いは、命から命へと引き継がれるリレーのように、次の世代、さらに未来へと大切に届けられる、命のつながりそのものに対する感謝の行事なのです。この慈悲の心から、永代にわたる法の灯を消すことなく、感謝をもって円満に続けていくことは何よりも尊い大事なことです。「私はこの命を大切に生きています。」この思いが、ここにいる皆様の心と一緒に響き合うことを願います。